ラミネートフロア・施工説明
施工ガイダンス
各社の施工説明では「日本での施工」は考慮されていません
「接着剤も釘も使用しない簡単施工」は、日本では誤った施工説明です。
どのメーカーのラミネートフロア施工条件は同じです。施工方法はクリック形状により異なり施工性には優劣があります。
ラミネートフロアの施工条件と追加説明
- 施工説明の例示物件
- 欧米住宅の1部屋のリフォーム、床下地はスラブ(合板ではない)
- 日本では、新築を含め1部屋施工は稀で、掃き出し窓、上り框、敷居などがあるが、これらの施工説明がされていない。
- リフォームによる床施工
- 欧米住宅流通は80%以上が既存住宅(中古住宅)のため、リフォーム物件の施工説明
- 日本の住宅流通は欧米とは真逆で新築物件が主流
- 床下地がスラブ等のため防湿シートとクッション材が必要
- 特に欧州の住宅は木造住宅が数パーセントしかないため、床下地(スラブなど)の上に防湿シートとクッション材を敷く。これらの上には「置敷き施工」しかできない。
- 日本の住宅の木造率が約50%、非木造住宅でも床下地が合板下地が主流である。
- 欧米の巾木は厚さ15mm以上
- 巾木の厚さ15mm, 20mmでは、壁際に10mm以上の隙間確保は容易である。隙間10mmは、余裕を含むサイズです。
- 和製洋間では、巾木の厚さは7mm,9mmなどのため、壁際に10mm以上の隙間確保のため5mmの隙間が散見。隙間5mmは、余裕を含まないサイズです。
- 隙間5mmでは、最大施工面積に注意する。
- 壁の曲がりを考慮し確実に隙間5mmを確保するためフロア1列目は壁の曲がりに沿ってフロア材の幅をカットする。
- フロア最終列の幅カットも同様。
- 日本独自の上り框などとの納まり
- 上り框、掃き出し窓、和室の敷居などは、フロア材との納まりで5mmなどの隙間確保は不可能です。
- 上り框用、掃き出し窓用、和室の敷居用などの有効な見切り材はありません。従いまして何らかの対応が必要です。
ラミネートフロアは欧米住宅のリフォーム用フローリングです。しかし、ラミネートフロアには「フローリングに必要な機能がすべて揃っています」ので、創意工夫し日本でも使用したい商品です。
日本でラミネートフロアの施工ミスを無くすには、欧米の施工条件と異なることを認識してください。そして「接着剤も釘も不要な簡単施工」は、日本では通用しない誤ったキャッチコピーであることをお伝えいたします。
日本では2通りの施工方法を検討
置敷き施工(Floating floor)と接着剤施工(Glued down floor)
置敷き施工(浮床施工、フローティングフロア施工)
ラミネートフロアの各メーカーが説明している施工方法です。
ラミネートフロアを床下地材に固定してはいけない施工方法で、一部でも接着剤や釘などでラミネートフロアを床下地材に固定することができない施工です。壁際の隙間不足も施工ミスとなります。
置敷き施工の説明はこちらです。
接着剤施工(グルーダウン施工)
日本で慣れ親しんだ「複合フローリング」と同じ施工方法です。
すべてのラミネートフロアを床下地材に接着剤(または釘やステープルを併用)で固定しますので、安全で確実な施工方法です。
接着剤で固定しますのでラミネートフロアは複合フローリング同様に剥がすことができませんが、ラミネートフロアはダメージに強い商品のため住宅使用では剥がす必要性はないと思われます。
接着剤施工の説明はこちらです。