ラミネートフロアの定義と図解

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ラミネートフロアの定義

ラミネートフロア規格(EN13329)では、ラミネートフロアを次のように定義しています。
①表面材、基材、裏面材の3層以上からなる床仕上げ材
②一般的には特殊形状の実(さね)がついている

 

これら①と②の定義は曖昧すぎるような気がしますが、EN13329の試験項目は極めてハードで床仕上げ材としての性能を必要以上に十分に担保しています。複数の試験項目の試験結果の組み合わせでラミネートフロアは6通りの等級にクラス分けされます。「等級」は商品の梱包箱などに明記するルールとなっていますが、日本市場で販売されているラミネートフローリングの多くが等級を記載していませんので注意が必要です。
以上より、正規のラミネートフロアは規格EN13329に合格した等級(クラス)」が明記された床仕上げ材となります。

 

また、全てのラミネートフロアにはクリックと呼ばれる特殊形状の実(さね)が付いています。このため、ラミネートフロアの施工は「クリック施工」と呼ぶことがあります。クリックのスペルはclicまたはclickですがクロノテックスはclicを採用しています。
クリックの形状により施工方法が異なり現状では7通りの施工方法があります。ラミネートフロアの大手企業は最新式クリックを採用しやすい環境にあります。
クロノテックスのクリック施工は「express clic」と呼ばれる最新式第5世代のクリックを採用しています。express clicは専用工具もハンマーも不要で、静かで早くて確実なクリック施工ができます。施工時間は同社旧タイプ「clic to clic」に対し半減しています。

ラミネートフロアの構成図

定義上のラミネートフロアでは基材の指定はありませんが、欧州メーカーは高密度繊維板(HDF)を使用しています。アジアのメーカーでは中密度繊維板(MDF)を採用することがあります。
ラミネートフロアの構成は3層以上ですが、4層構造のラミネートフロアが一般的で5層構造の商品もあります。
一般的なラミネートフロア4層構造を図解します。ラミネートフロアの普及版は厚さ8mmのため、厚さ8mmの商品を例示することにします。

 

 4層構造のラミネートフロアの構成図(厚さ8mm)

上記構成図の説明

Overlay(保護層)
最上層は、傷や薬品などに強い「保護シート」、硬度の高いコランダムが混入しています。
コランダムの別称は、酸化アルミニュームまたはアルミナ、ホームセンターの砥石コーナーに粉末のコランダムが置かれていることがあります。磨き粉の成分としてコランダムが混ざっている商品もあります。
Dekorpaper(装飾層)
メラミン樹脂含浸紙、メラミン樹脂を含浸した紙です。
HPLや高メラをご存知の方には「メラミン含浸紙」はお馴染みの素材で、ラミネートフロアは「高メラ」かの問合せが数度ありましたが、「中メラ」と御考えください。(「低メラ」以上です)
「高メラ」は、「熱硬化性樹脂高圧化粧板」の略称で、その試験方法はJIS K 6902で国際規格ISO 4586-2(High-pressure decorative laminates---Sheets made from thermosetting resins Pare2を基礎としています。綺麗で強固な新幹線内壁装飾などが「高メラ」製品です。

樹脂の説明:人工的に化学反応で生産した接着剤を樹脂(resin)と言います。また、プラスチックも樹脂です。熱をくわれると固まる樹脂が接着剤(熱硬化樹脂)で、熱をくわえると溶ける樹脂がプラスチックです。(学術的な説明ではありません)

Corelayer(基材層)
初期のラミネートフロアの基材はPB(パーチクルボード)でした。PBがMDF(中密度繊維板)基材となり、現在はMDFより強固なHDF(高密度繊維板)が基材として採用されています。
クロノテックスはHDFを自社工場で生産しています。原材料はパイン材の間伐材でパイン材以外の他樹種の混入はしてません。当該間伐材は全て森林認証材です。
HDF生産では接着剤を使用しますので、接着剤のホルムアルデヒド放散量規制値があります。欧州ではE1(ISO)以下が規制値のため商品箱には「E1」と表示しています。実測値はF☆☆☆☆以下であり日本国の認証を得ています。F☆☆☆☆認定品のため日本では使用数量には制限がありません。
世界各国のホルムアルデヒド放散量規制値はE1以下、F☆☆☆☆を要求しているのは日本と数カ国だけです。本件に対し、日本は素晴らしい国と思われるか閉鎖的な国と思われるかは各位に判断にお任せいたします。
Balance film / Backer(バランスシート/バッカー)
ラミネートフロアに限らす積層した製品は、反り防止などの目的で最上層と最下層の性能を一致(または同等)させます。
ラミネートフロアのOverlay(最上層)は防水素材ですので、バランスシート(最下層)も防水素材とするためメラミン樹脂含水紙をバッカーとして採用しています。 
 

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